約7年振りに復活したパラダイスが、新宿西口に「東京パラダイス」の名で、東京ホビットの怪獣ギャラリーとして2001年3月16日オープンしました。
このページは、3月14日に中井氏の取材を兼ねてお邪魔させていただいた時の模様です。
最終更新:2001.4.16
まずは、怪獣ギャラリーから。
ホビット新宿店の怪獣GKと、委託品のコーナーが4Fにまとめられています。
巷のホビーショップではアクションフィギュア全盛で、怪獣関連のキットは売り場面積が減る一方。
そんな中で、怪獣キットの売り場がこれだけ残っているのはうれしいところ。
ウインドウには他店では見かけないYAMAKAWA造型部のキットなんかも並んでいます。
また、ここのもう一つの特色としてマルサン系レトロ怪獣ソフビを一堂に集め展示・販売しています。
歴代のソフビの他、フロアーの中央には、M1号の店頭用カネゴンがドスンと飾ってありました。
その他数は多くありませんが、過去の書籍やガシャポンなど怪獣関連の中古品も一通り見る事ができます。
その奥にイノウエアーツとダイモス中井氏のギャラリーが常設されています。
私が行った時には塗装済みは富士山麓のみ、後はサフ吹き状態のものが数点あるだけでしたが、完成品は今後除々に増やしていく予定とか。
この日はまだ箱の中でしたが、この他、以前ホビット梅田店に飾ってあった熱海城決戦もこちらに持ってきています。
ちなみにその熱海城は、キンゴジとコングがキットのものより若干大きく、1次原型といわれいるものです。
お城も1次原型のボール紙製で、すでに型取りは不可能な品物。
未見の方は、熱海城と富士山麓だけでも一見の価値ありです。
さて、今回イノウエアーツ・ギャラリー以上に注目しているのが、2体揃うのは初めてというダイモスグループ中井三郎氏のキングギドラ。
1番奥の2畳ほどの特設ステージに、昭和の初代ギドラと平成のメカギドラが展示されています。
さすが巨大造型グループ、ダイモスの作品、とにかくそのデカさは特筆もの。
こちらもぜひ直接見て、その迫力を生で感じて欲しい作品です。
訪問した14日には、前日搬入したギドラ2体を関西よりこのために上京した中井氏と村上氏が二人がかりで組立て、補修していました。
以下はその時うかがった話を再構成したものです。
これが、パラダイス向けにマルイのRC原型より一回り大きく作成した昭和ギドラ。
運搬用とキット化のために分割してあります。
翼の表面には、打出し鉄器のような独自の凹凸モールドがあります。
-翼に、モールド入れてありますね?
「(大型モデルで、)ツルツルではつまらないので、なんかやろ思うてやりました。」
-翼は、吊らないで持つのですか?
「上部にはワイヤーが入れてあります。
胴体とは串刺しにしてないけど、取り付け部で2cmほど埋め込むようになってます。
前回展示の時は、翼の先端同士を(ワイヤーで)結んでいました。」
-着ぐるみについて
「(メカギドラを指して)うろこの大きさ、全然違うでしょ。
着ぐるみも、平成のは造りやすいようにうろこ大きくして枚数減らしてる。
これでは巨大感が出にくいんですよ。
そういう意味でも、初代の頃の着ぐるみは手間かけてきちっと造ってある。
さすがやわ。」
こちらは、原型をレジンキャストの無垢に置き換えたもの。 型までできていて、やはり一度はキット化を断念した一品です。 組立てあがったものは、中井氏も始めて見る(!)とか。
-レジンの無垢という事ですが、原型は粘土ですよね?
「そうです。
メカやるやつと話したんですが、彼らはプラ板や積層の削り出しよく使うんですよ。
それでこういうメカの部分も粘土で作ったって言ったら、びっくりしてました。」
-翼のモールドは、何か貼ったんですか?
「これね、金網とかザルとかいろいろ合うの探したけど、みんな目が粗いんですよ。
それで1番合うたのは、三角コーナーのゴミ袋。
こういう目があるのがあって。
あれがピッタリで、貼ってあります。」
-三角コーナーのゴミ袋だと、広げて翼の先までで丁度くらいですか?
「そうそう、ぎりぎり届くくらい。
まあ、そういう素材、色々探すのも楽しみの一つですわ。」
両方とも、もちろんウロコは1枚1枚全部手貼りだそうです。 特徴ある翼のディティール等、これから行ける方はそういうとこも見てみて下さい。