1963年、北海道生まれ。 映画では雨宮組(雨宮慶太監督)で初期の『未来忍者』から多くの造形美術を担当する。 ガレージキットでは様々なメーカーから異形モデルを出しているが、中でもフューチャーモデルズから出ていた一連のクリーチャー作品が印象深い。 HJに連載を持つなどホビー業界でも活躍しており、古くから名前は知れ渡っていたが長らく怪獣造形には直接の関わりがあまり無かった。 ※和物のホビー原型では、海洋堂で妖怪や仏像の原型まで手掛けているが、怪獣原型はM1号のゴジラ骨格以外ほとんど記憶にない
そんな竹谷氏が『シン・ゴジラ』(2016)ではついにゴジラの造形を担当し、デザイン用ひな型がガレージキットで販売されるなどようやく竹谷式怪獣造形に触れる機会が多くなった。 無類の骨好きで、怪獣GKの第1号はM1号の骨格モデルであった。
(写真:2013年6月7日付け宅宅新聞より)
WORKS SELECT
M1号 ゴジラ骨格(1994) | 千値練(せんちねる) タケヤ式自在置物 王蟲(2020) |
海洋堂 シン・ゴジラ雛型レプリカ特別版(2016) | 映画用プロップ シン・ゴジラ第5形態雛形(2016) |
[補足]
- 1992年HJ誌にバッタ男が載った頃、フューチャーモデルズでタケヤエイリアンを見てぶっとんだ記憶がある。
ガレージキットではこの他『ゼイラム』シリーズで造形美術を担当した関係から、1992年~1995年にファルシオンからイリヤを3パターンリリースしている。
M1号のゴジラ骨格は、同時期にM1号からリリースしたもの。
パッケージイラストは、雨宮監督の描き卸ろしであった。
フューチャーモデルのエイリアンシリーズを見ていると、年代的には子供時代が昭和ゴジラの終焉~9年間のゴジラ空白時代に当たり、16歳で『エイリアン』ショックを受けたクリーチャー世代と言えるかもしれない。 - 造形デザインを担当したシン・ゴジラからは、1号雛型2号雛型とも海洋堂からレプリカモデルとして販売されている。 さらに映画のラストシーンで使用されたシン・ゴジラ第5形態雛形は、WFや各種イベントで広く展示され直接目にする機会にも恵まれた。 竹谷氏の家には動物の骨がいくつも転がっていて、第5形態はもちろん、ひな型の尻尾の先にも本物の動物の骨が使われたそうである。
- 2020年の王蟲は、海洋堂のリボルテック・タケヤで可動モデルの原型・ギミックを担当した経験を活かし、「タケヤ式自在置物」という冠を付けたアクションフィギュア。 造形のアウトラインを損なわないギミックと個別に関節が動く約100本の脚が圧倒的であった。
- ここではゴジラを中心に乾いた系のモンスターを並べたが、湿った系クリーチャーまで含めれば、ネクロノミコンモンスター(フューチャーモデルズ、通称タケヤエイリアン)や近年のクトゥルフ(ArcLight Models)なども異形造形作品の代表作と言えよう。