ファルシオン
'90年代、怪獣や特撮系を中心に活躍したキットメーカー。
原型師には、メインの稲田喜秀氏の他にも、メカ物の真鍋正一氏やクリーチャーでお馴染みの竹谷隆之氏など、そうそうたるメンバーが名を連ね、加えてその徹底した考証により数々の名作キットを送り出した。
また、怪獣の質感再現にはソフビが最適との考えからソフビモデルを主軸とし、型作りではワックス原型を使わずにキャストの焼き出しを用いるなど、リアルモデルと原型の再現にもとことんこだわった。
その一方で、軟質ソフビを取り入れたり、デフォルメ・マスコットや差し替えパーツのおまけなど、遊び心も忘れてはいない。
残念ながら'99年で活動停止となってしまったが、キットの怪獣達はファンの間で今も息づいている。
WORKS
怪獣・特撮関連製品
年 | 作 品 | 画 像 | サイズ/材質 | 付帯品 | 原 型 | 発表時価格 | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1989 | 初代ゴジラ | 全 上半身 顔 | 50cm/ソフビ製 | トリロバイト付 | 井上雅夫 | 12,800 | 1/100 |
1990 | スーパーX2 | 全 | 22cm/ソフビ製 | アーリーデザイン版SX2、精密デカール付 | 萩原篤(ビーグル) 小林誠 | 3,000 | 1/150 機首ファイアーミラー開閉コンパチ |
1992 | エビラ | 全 | 36cm/ソフビ製 | 千草巽 | 4,800 | 1/150 | ガヴァドンAタイプ | 全 | 31cm/ソフビ製 | ペーパークラフトおまけ付 | 稲田喜秀 | 2,500 | 1/100 軟質版有り |
限定版イリア<ゼイラム> | 全 上半身 | 32cm/キャスト製 | 木製デコパージュ付 | 竹谷隆之 | 16,000 | 1/6 | |
1993 | モスラ幼虫 | 全 | 36cm/ソフビ製 | 1/8コスモス・メタルフィギュア付 | 稲田喜秀 | 3,800 | 1/350 軟質版有り | 快獣ブースカ(Aタイプ) | 全 顔 | 21cm/ソフビ製 | マスコット版ブースカ付 | 稲田喜秀 | 4,000 | 1/8 |
1994 | イリア<ゼイラム> | 上半身 顔 | 31cm/ソフビ製 | マント付頭部、ノーマル頭部2種付 | 竹谷隆之 | 6,800 | 1/6 |
ウラン怪獣ガボラ | 全1 全2 顔 | 28cm/ソフビ製 | 頭部差し替えパーツ付 | 稲田喜秀 | 6,800 | 1/150 軟質版有り | |
ツインメーサーセット | 全 | 10cm/キャスト+ホワイトメタル製 | デカール付 | 真鍋正一 | 9,800 | 1/150 ツインメーサータンク:10cm、 ツインメーサー攻撃機:12cm | |
1995 | 限定版イリア<ゼイラム2> | 全 上半身 | 32cm/キャスト製 | 竹谷隆之 | 14,000 | 1/6 | |
えり巻き恐竜ジラース | 全 顔 | 33cm/ソフビ製 | 右腕2種、岩石付 | 稲田喜秀 | 6,800 | 1/150 軟質版有り | |
地底怪獣テレスドン | 全 顔 | 22cm/ソフビ製 | マスコット版テレスドン付 | 稲田喜秀 | 5,800 | 1/150 軟質版有り | |
1996 | 帰ってきたウルトラマン | 全 顔 | 32cm/ソフビ製 | 手首2種、ウルトラスパーク付 | 稲田喜秀 | 4,800 | 1/125 成形色グレーと赤有り |
イリア重装版<ゼイラム2> | 全 顔 | 27cm/ソフビ製 | ゴーグル2種付 | 竹谷隆之 | 9,800 | 1/6 キャスト版を全面改修 | |
1997 | 古代怪獣ツインテール | 全 顔 | 42cm/ソフビ製 | マスコット版ウルトラマンvsツインテール付 | 稲田喜秀 | 7,800 | 1/125 軟質版有り |
ガメラ(大怪獣空中決戦) | 全 顔 | 24cm/ソフビ製 | マスコット版ガメラ&ギャオス付 | 稲田喜秀 | 9,800 | 1/250 |
[補足]
- このページのリスト掲載以外に、アニメ・コミックキャラクター製品もいくつかリリースしている。
- スーパーX2は、SF3Dオリジナルで知られる横山宏氏のデザイン。 このモデルは、映画のプロップも担当したビーグルの萩原氏が原型を担当した。 おまけには、小林誠氏原型によるアーリーデザイン版SX2が付いた。
- 袋入りで発売されたガヴァドンAタイプは、タグの裏をペーパークラフトにするなど、楽しいおまけが付いた。
- そのガヴァドンAから、稲田喜秀氏が怪獣原型を手がけるようになる。 稲田氏は同年プロデビューしており、氏の作品のほとんどがファルシオンからキットとして世に送り出された。
- 稲田氏は、ガヴァドンAと共にデフォルメタイプ2体も作成している。 残念ながら製品化はされなかったが、後のマスコット版のおまけに通じる佳作であった。(参考画像:HJ92年11月号より)
- ブースカ以降のソフビ版キットには、極少数の限定キャスト版も発売された。
→ブースカのキャスト版は、'93年夏のJAF-CON,WFでのみ販売 - イリアの原型は、クリーチャー造形で知られる竹谷隆之氏。 映画でも「ゼイラム」を始め、雨宮組の造型美術チーフとして活躍している。
- マスコット版のおまけはデフォルメモデルとしても好品であったが、中でもテレスドンは、地底怪獣ご用達の穴掘り工事用ヘルメットとツルハシがアレンジされた逸品であった。