ビリケン商会
　青山にある、レトロトイを扱う老舗のホビーショップ。 代表は三原宏元氏。
1976年から営業を開始し、1982年よりブリキのおもちゃ（ティントイ）シリーズやリアルソフビキットなどオリジナル製品を手がけるようになる。
ソフビキットには、ユニバーサルやAIPなどの海外モンスター、特撮キャラクターとともに日本の怪獣も数多くラインナップされている。
メインの原型師に名人ハマハヤオ氏を据え、一貫したポリシーで良質な製品をリリースし続けている。

• ビリケンのキットは、リアルながら組みやすさも充分考慮されていて、微妙な丸みの加えられた味にファンも多い。
• オリジナル第1作のメタルナミュータントは、キャスト版がごく少数の40個のみ製造・販売され、その後ソフビキットに移行された。
• '84年にはこのリストの他、コンバットジョー用のヘッドも「オリジナル・ヘッズ4」として発売されている。 権利関係の都合で、製品では言及していないが、それぞれエルビス・プレスリー、ビッグ・モロー、スティーブ・マックィーン、クリント・イーストウッドの青年期にそっくりな顔となっていた。
• キットは、初期のモンスターシリーズから海外にも輸出され、ソフビフィギュアとして多くのファンを獲得しており、「ビリケン」「マスター・ハマ」の名は、世界語となっている。
  
• ビリケンでは原型師も厳選して起用し、原型の監修にはハマハヤオ氏があたる事により、製品全体のクオリティを維持している。
• ベース付きがスタンダードとなっているアメリカでは、ビリケンのフィギュア専用ベースを製作販売している会社まである。
  →マッド・ラボ・モデルズ社のマイク・パークス原型大頭人（No.15）、もぐら人間（No.11）、物体Ｘ（No.6）、半漁人（No.27）の各ベース、パトリック・シャノン原型のマミーベース（No.31）以上作例使用。
• 同様に、当初ベース無しでビリケンUSAから発売されたプレデター（No.41）用にも、セラーキャスト社のマーク・ケアリン原型のプレデターベース等、明らかにビリケン向けを意識した製品がある。 なお、このプレデターは、国内販売される時に、ベース付きへと変更された。
• '84年のサイクロプスは、1本角タイプ。 翌年のIIで、2本角タイプの頭が付加され再発売された。、
• 再販ではないが、'85年の金星ガニのみ、'94年にパルコのイベント用非売品として、赤成形色で再生産された。
• '86年の大頭人には役者の頭も付いており、着ぐるみを取ったシーンまで再現できるようになっている。
• 初期の海外モンスターには、おなじみのユニバーサル・モンスターの他、'50年代に大量生産されたAIPの愛すべきB級SF映画に登場するモンスター達も多い。 中でもポール・ブレイズデルの手がけたモンスターは、金星ガニ、大頭人、シークリーチャーなど多くがビリケンで立体化されている。
• ハマ氏の技巧は、フランケンやドラキュラなど、より人型に近い原型で如何なく発揮されている。 本人そのままの顔造形や、特に、布地の質感を伝える個々のしわの造形は、フィギュア造形でのトップと言って良いだろう。
  →1980年代の習作、1/6 アントニオ猪木のヘッド
• エイリアンレリーフは、台座もソフビ成型にしたため強度が得られず、木版を貼り合わせてやっと販売にこぎつけた。 原型アップと告知からすでに1年経っており、価格も1万円近く上がったが、出来はご覧の通り素晴らしいもの。 怪獣同様エイリアンを知らないハマ氏は、自由なイマジネーションによる塗装を作例に施した。 水色とオレンジを基調にしたその色使いは、衝撃的であった。
  →そういえば、ビリケンで発表される数ヶ月前、イベントでこのエイリアンのレジン版が一点物として売られていた事がある。 あれ、どこから型取ったんだろ？
• 完成品フィギュアブームと量産品塗装の技術向上を受けて、ジェットジャガーやアンヌ隊員では、フル塗装済みのキットが試みられている。
  　また、2000年よりウルトラセブン、カネゴン等過去の名作も、フル塗装済みのキットとして、再販された。
• 2001年末の新作は、完全リニューアルのウルトラマンAタイプ。 戦いの後の寂し気に立ち尽くすウルトラマンを再現したいとのことで、Aタイプが選ばれた。 ハマ氏は模型雑誌の記事で「BCタイプでは、胸が厚くて同じポーズでも威張って見える。愁いがでません。」とAタイプを選んだ理由を語っている。
  キットは不透明成形1体分に、クリア成形のマスクと青と赤に塗り分けられるようカラータイマー2個が予備として付けられた。
• 肖像権の関係から、当初ゴローには五郎が付属できず、ミルク缶付きの販売となった。 その後肖像権がクリアーされ、五郎は単体で別売されたが、マッチボックス仕様の箱絵に合わせて、パッケージそのものも初のマッチ箱サイズとなった。
• 2003年初頭には、宇宙船100号記念企画として、アントラーが彩色済みで誌上再販された。
• 2004年4月には、キャンペーン企画として、ケムール人がクリアー成型、200個限定で再生産された（非売品）。 箱は無く、パッケージは「非売品」と印刷された内袋のみで、内袋共通の「ビリケン商会謹製」タグにより止められていた。
• 2004年7月郡山市立美術館で行われた『ゴジラの時代』展では、初代ゴジラ、ジェットジャガーの畜光クリアー成型版が、会場限定各150個販売された。 こちらのパッケージは、レギュラー品に「会場限定品」と書かれた緑のシールと、「GLOWS IN THE DARK」の丸シールが貼られていた。
  この2体は即日完売となったため、8月10日には蓄光版メカゴジラが追加で販売された。
• 2005年1月には、スーパーフェスティバルに初参加、'90年のパゴスが蓄光版で限定再販された。 以後スーフェス参加にともない、畜光成型版による旧作品の再販が続いている。
• 2006年4月には、井上雅夫氏原型の鉄人28号をリリース。 初期作品の販売以来、20数年の時を経てビリケン商会名義での初製品となった。 パッケージはリアルモデルシリーズを踏襲しているが、ラベルにはリアルモデルシリーズの表記はなく、ブランド名として「イノウエアーツ・ビリケン商会」、原型製作として「KING OF THE GARAGE KIT 井上雅夫」と表記されるなど、別格の扱いとなっている。